ロシア語

2010年4月28日 (水)

名詞の変化はいくつかの基本的なパターンに分類できます。これを頭に入れておけば、かなりの程度はあとあと楽になるので覚えてもらうことにしています。今、細かいことは抜きにして第1変化と第2変化の語尾だけを書き出すと、次のようになります。

1: ゼロ,а,у,?,ом,е
2: а,ы,е,у,ой,е

“ゼロ”とは語尾がないという意味です。”?”のところはちょっと理屈があるので「考えてね?」の気持ちです。そして、語尾をあえて簡単に日本語読みします(実際の音からは ずれますが、今は目をつぶります)。すると、

1. ゼロ、あ、う、はてな、おむ、え
2. あ、い、え、う、おい、え

です。それぞれが長いので、合いの手を入れます。

1. ゼロ、あ、う、【ぃよっ!】、はてな、おむ、え
2. あ、い、え、【ぃよっ!】、う、おい、え

【ぃよっ!】のところは【ほいっ!】でも良いです。これをしつこく言っていると、たいがいは覚えてもらえるようです。受験勉強みたいで味気ないかもしれませんが、これは古文や英語でやった練習と同じようなものです。「な、に、ぬ、【ぃよっ】、ぬる、ぬれ、ね」とか “go, went, gone” を思い出しますね。

さて、第1変化と第2変化の6番目の語尾、これは前置格ですが、共通しています。暗記しやすいです。そして、場所の表現に使えるので、教科書の最初に出てくることが多いでしょうね。しかし、せっかく覚えてもらったところで悪いなぁと思いつつ、例外を出さなければなりません。誰も悪くありません、ロシア語がこうなっているのだから、仕方ありません。

その例外を説明するときに下のような写真をお見せします。実際は説明するのではなくて、考えてもらい、なんとなくわかったら教科書の該当箇所にチェックを入れてもらいます。

V_prudu

ということで、写真を出すだけで今日の記事を終えます。関係ないですが、ひらがなってかわいいですね。上に書いた昔の「死ぬ」と「往ぬ」の変化がいとおしく見えてきます。ここでほんとうに記事を終えます。


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2010年3月 7日 (日)

目薬

глазные капли とは目薬のことです。глазной ( > глазные) は「目」の形容詞、капля ( >  капли) は「液体のしずく」のことです。「目」+「しずく」だから、глаза‑каплиなどとしてもらえるとわかりやすいのですが、ロシア語はこういう名詞+名詞の複合語が苦手なようです。で、どうするかというと、通常、はじめの名詞を形容詞にしたり別の形にして後からかけたりします。

目薬の話です。

(1)
目薬をさしたあとに拙者は目をパチパチする習慣があるのですが、眼科の先生にこれはあまり良くないと言われました。涙で目薬が流れてしまうんだそうです。今まで流していた目薬、もったいなかったかも。あ〜でもでも、普通、パチパチしますよね。ほんなら両方を採用して、目を閉じながらパチパチすれば解決するかもしれませんが、さっきやってみたところ、自分の不気味な顔が目に浮かんだので、すなおに目を閉じるだけにしておきます。

(2)
眼科で先生が目薬をさしてくれるときに「あかんべ〜して」とおっしゃいました。拙者は、下まぶたを指で押さえて、舌を出してあかんべ〜しました。先生は冷静に「舌は出さなくていいよ」。そりゃそうです。目薬に舌は関係ありません。でも、あかんべ〜と言われたら舌を出してしまいますよ、拙者は。

今年は拙者の花粉症は目にきました。

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2010年2月16日 (火)

反対語同居

同じ単語なのに場合によっては反対の意味を表すことがあります。

(1) просмотреть газету 
"新聞に目を通す"

(2) просмотреть ошибку
"間違いを見落とす"

(1)は「見る」で、(2)は「見ない」ですから、同じ単語に反対の意味が同居していることになります。こういう現象をロシア語の世界ではэнантиосемияと名付けています。細かく検討する値打ちのある問題として、上記の2つがほんとうに1つの単語なのかということと、「反対」とは何かということがあります。これはまた別の機会に譲ります。

純粋な反意関係ではないかもしれませんが、日本語の「我慢」、「駆け出し」には大きく異なった2つの意味があるらしいです。「我慢」は現代で普通に使う意味以外に、以前は「我を張って心が高慢であること」という意味があったようですし、「駆け出し」は「一番力がみなぎっている状態」というのが本来的な意味であったと言います。これはちょっと前にNHKのことばおじさんが言ってました。ウェブがあるのですね。ご参考までに記事の末尾にアドレスを記しておきます(*1)。この例は、時代によっては同じ単語が全く異なる2つの意味をもつのだと教えてくれます。

さらに、言葉(や記号)が使われ方によっておおきく異なる意味を表すことがあります。これは状況がいろいろみたいなので、おもしろいです。

\(^o^)/:拙者にとってこれは「万歳」ではなくて「人生オワタ」です。

「ほんとうにありがとうございました」:これは場合によっては深い嘆きを表します。

「変態」:「何かに対して並々ならぬこだわりがある人を賞賛して言う言葉」かもしれません。

現在考察中の単語は「yuua ...」… おっと、こんな時間にだれか来たようだ。

(*1) ことばおじさんのページです。
http://www.nhk.or.jp/a-room/kininaru/2009/06/0610.html

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2009年7月 4日 (土)

オヴァチ

ロシア語の動詞変化には、第1変化と第2変化があります。そしてそれぞれに規則的な変化とそれからちょっとずれた特殊変化があります。第1変化の特殊変化には次のような動詞があります。

рисовать “スケッチする”
― 人称変化するときは、‑ова (ть)‑ を取り去る。
― そのかわりに ‑у‑ を入れる。
― 語尾は普通の ‑ю, ‑ешь ... ‑ют を用いる。

ってことで、人称変化は я рисую, ты рисуешь ... они рисуют になります。命令形は рисуй(те)です。

こういう特殊変化の場合、動詞が長いと不定形と変化形の共通部分つまり語幹も長いので、ある意味、わかりやすいです。たとえば、

不定形がпредседательствовать (議長をする) となる動詞の人称変化: я председательствую, ты председательствуешь ... они председательствуют の例でいくと、人称変化形 председательствую を文章で見て、 知らないから辞書で見ると、変化形自体は載っていなくても、その近所に不定形がありますから大丈夫です。

しかし、単語が短すぎる場合は形が不定形と人称変化でかなり違った感じになります。上と同じ変化をする動詞がはじめにくる文を記しますのでクイズにしましょう。動詞は命令形です。

Куй железо, пока горячо.

Куй (クイ) のクイズです。寒いですね、すみません。ちなみに、рисовать みたいに変化する動詞をその形から「オヴァチ動詞」と名付けることがあります。

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2009年4月28日 (火)

数字の3にも似ている。

英語の筆記体を習っていない世代が入学しているようです。恥ずかしながら知りませんでした。

(拙者)ロシア文字のзは英語のzにそっくりですね?
(クラス)???
(拙者)いや、英語筆記体のzにそっくりでっせ!
(クラス)!!!
(拙者) 数字の3にも似てまっせ!
(クラス) (;゜)ウッ!

… みたいな小ネタを1年生の初めに話すことにしているのですが、ひょっとしたら通じていなかったのかも。でも、習っていないのと知らないというのは別だと思います。今日 3年生と4年生に授業でこっそりさぐってみたら、知っているそうです。安心しました。

ロシア文字の筆記体はまじめに勉強した方が良いです。ロシア語学習の世界では、教師でないロシア人がガーッと書いた筆記体を読めるようになるのを ひとつの目標にすることができるでしょうね。これは学生時代の拙者には、顔が見えない電話での会話と同じくらいこわかったです (*1)。

(*1) разговор по телефону

ロシア文字のзは他にもそっくりなものがありますが、内緒です。

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2009年4月23日 (木)

見たこともないけど…

ロシア語には6つの格があり、それらをまとめた変化表の最後に出てくるのが前置格です。これは常になんらかの前置詞とともに用います。1年生が前置格を最初に学ぶのは、場所の表現「どこどこで(働いている)、どこどこに(住んでいる)」です。これは場所を表す前置詞のあとに、前置格の名詞、名詞句をおくことで表現できます。習い始めの頃はわりと単純だと思います。

しかし、すぐに不規則変化の嵐がおそいます。それは、通常の前置格語尾-eではなくて、‑иを用いる場合です。

(1) санаторий — в санатории
(2) Япония — в Японии
(3) здание — в здании
(4) Сибирь — в Сибири

「不規則の嵐」と書きましたが、場合分けが決まっているので整然とした嵐(?)です。

問題は別のところにあります。(1)タイプの名詞のうち1年生で習うのは、上に書いた санаторий だけのはずですが、この意味をわかってもらうのに苦労するのです。訳語は「サナトリウム」とか「長期の療養所」です。どうやって説明しましょうか。

印象としては、「サナトリウムって何?きいたことあるようでないようで、う〜ん、でも絶対に行ったことはないぞ」でしょうね。拙者にもあまりなじみがありません。まさか「探して見てこい!」みたいな課題は出せません。困った。いや、毎年困る。この1語のために困るのです。

ところが、数年前に強者があられました。「行ったことがないし見たこともないけど知っている、そして強烈な印象がある」とおっしゃる1年生です。ある小説を読んだら忘れられないのだそうです。拙者も昔読んだことがありますが、たしかにそのとおりです。いきなりクイズです。その小説とは何でしょうか。

文庫本にすると2巻です。もともと4巻だったそうです。長い、長いよ。作家の木原武一さんがすばらしい要約をされているのでそれを探して見るのが第一歩かもしれません。

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2009年3月28日 (土)

Ukelele (2) 記号類

しつこいようですが、ロシア語を書くためのキーボードの話です。前回の記事で、拙者が Ukelele で並べ替えたロシア語配列をご紹介しました。下の画像です。

Rus_jun_web

この青いところにある記号は拙者にとって大切なものです。まず、左側ですが、これはハイフン(‐)です。普通に入力できるマイナス記号と形の上ではほとんど同じなのですが、これらは機械の中では別物です。ハイフンは接尾辞などを書くときに使えますね、“‐тель” などです。

右側の記号は、長いめのダッシュ(—)です。これより短いめのダッシュでも良いのですが、拙者は前者のほうをよく使います。この記号はロシア語の1年生が見て驚愕するはずです。ロシア語 Be動詞の現在形が (ダッシュでない場合も) 簡単すぎて萌える、「ロシア語」に入学して良かったと思えるでしょう。ワープロの設定次第では、たしかマイナス記号を3つくらい続けて書くと自動的に長いめのダッシュ変換されるのですが、キーボードに割り当てておくとソフトに依存しないで書けるので便利です。

この Ukelele を使うとアクセント記号も割り当てられます。おそらく、このソフトの真骨頂はこのあたりにあるのだと思います。拙者は完全に理解したとは言えませんが、とりあえず、書けるようになりました。下はこのUkeleleで並べ替えた配列で、オプションキーを押したところです。アクセント記号が左の方に見えると思います。英文字 a の位置ですね。

Rus_jun_opt_web

実際に書くときは、ロシア文字を打った後に “オプションキー + a“ でOKです。 入力中の動画をアップしました。アクセント記号を消すときは、普通に Deleteです。

ロシア語のアクセント記号

ロシア語のアクセント記号


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Ukelele (1) Russian -- Phonetic

いつの間にかかなりの時間をMacBookと過ごすようになりました。これから先、リンゴネタが出てくるかもしれませんが、お許しください。Macとロシア語の記事はあまりないので、自分のメモとしても書きます。

まず、新しいMacBookで導入できた Russian -- Phonetic 配列です (*1)。

Rus_pho

これは、

a ― а, s ― с, d ― д, f ― ф

の対応ですから、普通の英語配列を覚えた人にとっては、おそらく一番簡単にロシア文字を書ける配列でしょうね。ただ、よく見ていただくと、これに含まれていない文字があります。それは、щとёです。拙者は思いました、せっかく打ちやすい配列でも文字が欠けていたら話にならないじゃないか と。

しかし、当然と言えば当然ですが、ちゃんと打てることがわかりました。キーボード左下などにあるオプションキーを押しながら、それぞれ шとеを押せばOKです。オプションキーはエスカレータが下っていくようなデザインのキーです。まあ、書けることがわかって安心しました。

ただ、ちょっと不便です。できることなら、余計なキーを押さずに直接入力したいです。やはり、キー配列を並べ替えるソフトが必要だと思い、探していたら見つけました。Ukelele というソフトです。並べ替えた結果が下の感じです。

Rus_jun_web

緑の蛍光ペンで示したところに文字を入れました。青っぽい蛍光ペンのところは、左がハイフン、右が長いダッシュです。この記号については項を改めて書く予定です。

やっぱりエライ先輩たちがいるものですね。こういうのがないと拙者はやっていけないので、心から感謝しています。この Ukelele にはさらにおもしろい機能があるので次に続けます。

(*1) 画像は Ukelele の画面キャプチャです。このソフトは
http://scripts.sil.org/cms/scripts/page.php?site_id=nrsi&id=Ukelele
にあります。

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2009年1月25日 (日)

かわいそうなめがね

目覚めたら、いつもはすぐ横にある「めがね1号」が見あたりません。裸眼では探しにくいので、「めがね2号」を取りに行きました。これはいつも同じ場所に置いてあります。ところがその頼みの綱である「めがね2号」もないんです、ケースごと。

まだ早い時間だったので、ゆっくり考えようと、とりあえずベッドに戻りました。寒かったのもあります。とりあえずラジオをつけて、まあ、まだ時間があるからとりあえず二度寝しようかと、気持ちを落ち着かせました。「とりあえず」を一瞬にして3つも成し遂げる、計画性のない朝です。

ラジオからは心地よい音楽。しばらくして、「次の曲は … です」と声がした後、曲が聞こえてきません。耳を澄ますと、物音すら耳に入ってきません。ああ、わしってめがねもなくし、今度はもしかして聴覚までダメか … と思った瞬間、音楽が「だだだ、だだだ、じゃ〜ん!」

やかましいっちゅうねん (笑)。二度寝モードから追放された拙者は、再びめがねを探し始めます。裸眼です。なんとか見つけました、キッチンで。縦に長いタッパーウェアの中で水につかっています。就寝前にめがねぶくぶくしてたんです。「ぶくぶく」とは泡の出る錠剤を水に入れて、その泡でめがねを洗浄することです。それを忘れて寝てしまったのです。数時間も冷たい水の中でこごえていためがね1号と2号、かわいそうです。

かわいそうなめがねということで思い出したのですが、実は、ロシア語の “めがね” очки はちょっとかわいそうな名詞かもしれません。「二つのめがね」と言いたいとき、「два 2つ」+  「“めがね” очкиの変化形」を使いたいところですが、問題があります。два の後は、わかりやすい形だと、単数生格が来ますよね、でも、очки は複数形で用いる名詞です。つまり、два は очки に対して「おまえは単数形になれ」と命令するんですが、命令された очки は「でも、わしって複数形しかないんですけど」と困ってしまいます。かわいそうな очки です。

очки はどうするでしょうか。два の要求をのんでやむを得ず単数形に変身するでしょうか。それとも、難題をつきつける два を見限って、別の数詞とペアを組むでしょうか。めがねの気持ちは拙者が作った物語ですので、聞き流してください。очки が出した結論は、教科書をご覧ください。

中途半端なオチですみません。

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2008年11月22日 (土)

靴は обувь です。これは靴のいろんな種類をひっくるめた「靴」の総称です。実際には、この単語以外に、靴の具体的な種類が出てきます。この点は日本語もロシア語も同じです。

ただ、ロシア語のこれが日本語のあれにきっちり対応しないかもしれません。ここが一番難しいのです。たとえば、教科書に т'уфли という単語が登場しました。学生さんのもっている辞書や単語集には、туфли に対して、いくつもの和訳が出ていました。一対一の対応ではないんですね。見つかった訳語のひとつは「スリッパ」でした。拙者はちょっとびっくりしたのですが、こういうのがあるよと見せられると現実は受け入れざるを得ません。まあ、実際に訳を当てはめて、検討した方が良さそうです。

белые туфли

たしかに、ひょっとしたら、「白いスリッパ」かもしれません。しかし、教科書の用例には、この近くに「白いドレス」とか「新婦さん」とか「結婚式」を思わせる文脈がありました。そしたら、新婦さんが結婚式で履く靴としては「白いスリッパ」はちょっとかわいそうな感じです。

ただいまより新郎新婦のご入場です、盛大な拍手をもってお迎えください って、なんでスリッパはいてんの? 誰かおしえてやってよ、一回ビデオ止める?みたいな光景を想像してしまいそうです。

しかし、もし туфли を「ウェディングシューズ」としてしまうと、日常的に使う туфли としては狭い訳語になってしまいます。

もちろん、拙者は良く登場する訳語を頭の中に用意していますが、授業では黙っています。そのかわりに、写真を見せます。これが туфли です、こんなのも туфли です … みたいに。そうすることで、学生さんたちは自分なりに туфли に対応する日本語を決めてくれます。

とくに女性ものの名称は拙者には難しいのです。これが本心です。靴や衣類の単純な名前は良いのですが、もし化粧品が出てきたら完璧に丸投げするしかないでしょうね。

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